防火設備検査定期報告とは、不特定多数の人々が利用する建物内に設置されている「防火設備」を重点的に検査する、建基法12条により定められた定期点検制度で、1年毎に、有資格者が検査を実施し、その結果を特定行政庁に報告するように義務付けられているものです。
1年毎に実施義務。建基法12条点検における検査のひとつで、一級・二級建築士、防火設備検査員の有資格者がこの検査を行えます。点検対象は、主に、国から指定された対象建築物内に設置された「防火扉」、「防火シャッター」、「耐火クロススクリーン」、「ドレンチャー」です。
主な対象建築物
検査対象設備と詳細
種類 | 詳細 |
防火扉 |
防火扉は、火災時の炎や煙が他の部屋へ拡散しないように防止する扉の事です。 ①火災時に閉鎖する「随時閉鎖式」、 ②常に閉鎖している「常時閉鎖式」の2種類があり、防火設備検査対象は①前者となります。 ※②後者は「特定建築物調査」
検査内容は主に動作確認や劣化・損傷状況の確認のほか、 防火扉と連動する感知器の状態確認等も行います。 |
防火シャッター |
防火シャッターは、防火扉のように火災時の炎や煙の拡散を 防ぐとともに、建物内で防火区画を構成する役割も持っています。
検査内容は、設置状況や劣化・損傷具合の確認、感知器との連動性や シャッターが閉まりきるが等の動作確認を行います。 |
耐火クロススクリーン |
耐火クロススクリーンは、防火シャッターと似た役割を持ち、 火災時に天井からガラスクロス製のスクリーンが硬化し、 防火区画を形成します。 防火シャッターのように開口部が大きい箇所に設置されるほか、 ビルやマンションのEV前にもよく見られる防火設備です。
検査では、感知器との連動性の確認、設置状況、劣化・損傷の 確認などを行います。
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ドレンチャー |
ドレンチャーは天井に設置された散水ノズルから水を噴射し、 水幕を形成して防火区画を作る防火設備です。 スプリンクラーと機能が似ていますが、スプリンクラーは、 消火(消防法)を目的としているのに対し、ドレンチャーは、 延焼を防ぐ(建基法)ことが主な目的となっています。 主に、空港、駅、立体駐車場等の規模の大きい建物に設置されます。
検査では、散水ノズルの劣化・損傷具合の確認、タンクやポンプ類に 変形や欠損などがないか等の確認を行います。
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